業務の省力化に役立つ補助金が創設(中小企業省力化投資補助事業)

令和6年度から募集が始まる、中小企業省力化投資補助事業について解説していきます。

今回は、事業会社が配膳ロボットや自動倉庫などの省力化機器を導入して、補助金を受け取る方法について説明します。

省力化機器を取り扱う販売会社等が、販売事業者としてこの補助金スキームに参加登録する方法については、登録要領が公開されしだい、このブログで説明します。

この記事のポイント

中小企業省力化投資補助事業(中小企業省力化投資補助金)とは何かがわかります。
どのような設備が補助金を活用して導入できるかがわかります。

目次

はじめに

経営者、特に飲食・サービス業の方とお話をしていて、ちかごろ必ず話題に上るのが、

求人の募集をかけたけれども、さっぱり応募がない

という人手不足の課題です。そのせいもあって、レストランでの配膳ロボットや、タブレット端末を使った注文システム、セルフレジなどを目にする機会が多くなりました。

令和6年度から募集が始まる「中小企業省力化投資補助事業」は、そんな配膳ロボットや清掃ロボット、自動倉庫など、人手が不足している企業の現場に省力化機器を導入する際に活用できる国の補助金です。

公式サイト 中小企業省力化投資補助金 (smrj.go.jp)

この補助金を活用したい中小企業は、国が示したカタログの中から、人手不足の解決に役立つ製品をえらび、販売会社と共同で申請します。

機器を活用して労働生産性を向上させる計画と、賃金引上げの実施が補助金受給の主な条件です。

中小企業省力化投資補助事業は、令和6年度から令和8年度にかけて複数回公募が実施されます。

中小企業省力化投資補助事業とは

「中小企業省力化投資補助事業」とは、人手不足の状態にある中小企業等が、それを解消するのに役立つ機器を導入するために活用できる補助金です。

省力化に役立つ機器は、自社の事業や人手不足の状況など、経営上の課題に合わせたものをカタログから選ぶ形式になっています。機器の購入・導入費用の50%を国が補助しますので、企業の自己負担はカタログ価格の半分で済みます。

補助上限額は従業員規模により原則200~1,000万円です。大幅な賃上げを行う場合は300~1,500万円に引き上げられます。

補助金の申請は、カタログに掲載された機器を販売する事業者と共同で行い、手続きのサポートは販売事業者が行います。

補助事業を活用した企業には、付加価値や生産性の向上、賃上げを実現することが求められます。

補助金を受けられる事業者の要件

⑴人手不足の状態である

 具体的には、次のいずれかの状況にあることが必要です。

 ①従業員の平均残業時間が30時間超えになっている
 ②離職・退職で従業員が前年度比5%以上減少している
 ③採用活動をしたが充足できなかった
 ④その他の理由

⑵事業計画に、労働生産性の向上目標を盛り込み、実施する

⑶従業員に賃金引き上げ計画を表明し、必ず実施する

特に⑵⑶は計画未達成の場合、補助金の返還等を求められることがあるので注意が必要です。

補助金で導入することができる機器

この補助金では、導入できる機器の種類(機器カテゴリ)により、その機器導入を補助の対象とすることができる業種(対象業種)と、業務内容(対象業務プロセス)の組み合わせが限定されています。

たとえば、この補助金で清掃ロボットを、倉庫業や製造業の企業が導入することはできません。
清掃ロボットを導入できるのは、宿泊業、飲食サービス業で施設管理にそれを利用する場合に限られています。自由に機器導入ができるわけではない、という点に注意が必要です。

表 省力化商品の機器カテゴリと対象業種、対象業務プロセスの組み合わせ
出典 https://shoryokuka.smrj.go.jp/assets/pdf/product_category.pdf

自社の業種と、省力化したい業務の組み合わせから、補助金で導入できる機器カテゴリを探してみてください。

補助金を受けるための手順

出典 中小企業省力化投資補助金 (smrj.go.jp)

補助事業の公募は令和8年9月末ころまでに複数回おこなわれます。

①申請のてびき、公募要領を読み、自社が補助事業の要件に合致しているかを確認します。

②自社の課題をどのような省力化製品で解決するかを検討します。販売事業者から提案を受けたり、アドバイスをもらったりすることもできます。

③導入を決定した省力化製品について、販売事業者と共同で補助事業実施計画を策定し、交付申請を行い、採択を待ちます。

④採択された場合は、販売事業者と導入契約を結び、機器を設置、稼働させます。機器代金の支払いが終わり、必要な成果が得られたら、事業実績報告を作成し、事務局に送付します。

⑤事業実績報告の内容が認められ、補助金支出額が確定されたら、請求し、支払いを受けます。

⑥補助金を受け取った後は、5年間にわたりその実施内容と効果の報告が義務付けられますので、かならず報告してください。

補助事業実施に当たっての注意

新規事業は対象になりません。今自社で実施している事業に関連するもののみ補助金を申請することができます。また、事業再構築促進補助金に採択された事業者が、その事業で使うための機器をこの補助金で導入することはできません。

その他、補助が受けられないケースがありますので、公募要領をしっかり読んで申請しましょう。

結び

中小企業省力化投資補助金は、中小企業の業務効率化を支援するための制度です。配膳ロボットや清掃ロボット、自動倉庫などの省力化機器導入に補助金を提供し、人手不足の解消や生産性向上を促進します。
補助金額は導入費用の50%で、従業員規模や賃上げ要件によって異なります。
補助金は経営課題を解決して、企業の成長を促す制度です。

フォルティス経営サポートでは、補助金を活用するための事業計画書づくりなど、企業の資金調達をお手伝いします。まずは、お問い合わせフォームからお気軽にご連絡ください。

※2024年4月現在の情報です。制度や事業を活用する場合には、最新の情報や、実施機関の公募要領等を必ずご確認ください。