令和5年度補正予算案の事業概要が公表されました
令和5年度補正予算案のPR資料、事業概要が経済産業省から公表されました。
中小企業対象の補助事業について、予算案では不明だった点のいくつかが明らかになりました。
この記事では、この事業概要についてみていくことにします。
①中堅・中小企業の賃上げに向けた省力化等の大規模成長投資補助金【3,000億円】(R5年度:1,000億円)
まったく新しい補助金として創設されるものです。国庫債務負担がついていますから、向こう3年にわたり確実に実施される事業となるようです。補助金事務局の公募に向けてRFIが始まっており、その案内の中でも「事業期間は令和5年度から令和8年度」と明記されています。
補助率は3分の1で補助上限が10億円、投資下限額は10億円となっていますから、個別の設備導入というよりも、工場新設などが対象となるものです。賃上げ要件がどのくらいのものになるか注目です。
②中小企業省力化投資補助事業【1,000 億円】(中小企業等事業再構築基金の活用等含め総額 5,000 億円規模)
10月に発表された経済対策でも話題になっていた、省人化・省力化のためのロボット導入などをカタログ形式で補助する事業です。
中小企業等事業再構築促進事業(再構築補助金)を再編して実施することとなっており、基本的なスキームは再構築補助金と同じです。今回は補助率と補助上限額が明らかになりました。補助率は2分の1、上限額は従業員規模により異なり、賃上げ達成で上積みもあるという内容になっています。
現在実施されている再構築補助金については、2023年11月11日・12日に実施された、行政事業レビュー 秋のレビュー(秋の年次公開検証)においても、有識者委員から募集停止を提言されるなど、厳しい意見が付されていました。この公表資料でも、左下の※印のところに「再構築補助金は見直します」という内容が記されています。委員の提言をもって直ちに募集停止になるわけではありませんが、今後の動きを見ていく必要がありそうです。
③中小企業生産性革命推進事業【2,000 億円】
令和4年度補正予算で、令和5年度の予算化が約束されていた部分(国庫債務負担行為といいます)が、今回予算案に盛り込まれたものです。予定通り、来年度も継続して各補助金が実施されることになります。